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ようこそ! 安全保障関連法案に反対する熊本大学有志の会

声明

私たちは安全保障関連法案の即時撤回を求めます

数え切れないほど多くの無辜なる命を奪った戦禍の後、日本国民は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意」(日本国憲法前文)しました。そしていま、私たちはこの決意を新たにするべき局面を迎えています。

2014年7月1日、安倍政権は、これまで違憲とされてきた集団的自衛権を閣議決定のみによって合憲と見なしました。なぜ、この「解釈改憲」と呼ばれる手法に彼らはあえて訴えたのでしょう。答えは明白で、国民から幅広い同意を得る見込みは低いと判断したからです。主権者である私たちを納得させるための労力を費やすよりも、安全保障関連11法案の早期成立を優先したかったからです。

こうして、現政権は「国民の厳粛な信託」(同前文)に基づいて国政を担うという本来の任務を放棄しました。このように不当な手続を経て提出された安全保障関連法案は、内容の点でも、憲法が唱える平和主義の理念に抵触する条項をいくつも含んでいます。すでに、圧倒的多数の憲法学者と歴代の内閣法制局長官が法案の違憲性を認めています。全国の200を越える地方議会が、廃案ないしは慎重な審議を求める決議を行っています。

自衛隊員が担当するのは「後方支援」だから大丈夫だと政権側は言います。しかし、後方支援とは “Logistics” すなわち「兵站(へいたん)」です。戦闘の最前線に武器弾薬や食料を供給する仕事です。まず兵站を叩けとは戦争のイロハであり、自衛隊員は第一の攻撃目標になるでしょう。彼らが反撃に出れば、その時には罪なき市民の血が避け難く流れることになるでしょう。そのような理不尽を、彼らも、彼らの家族も望んでいるはずがありません。

自衛隊員であれ他国の市民であれ、犠牲が出てからでは遅いのです。法案の是非を判断する権利を、私たちはいま取り戻さなければなりません。その権利を、子どもたちに引き継いでゆかねばなりません。そのさいには、平和の維持に求められる地道な努力の限りなき尊さと、危機感を煽って人心を掌握しようとする手口の卑劣さを、ともに伝えてゆかねばなりません。いずれも、長く悲惨な歴史を通してようやく人類が手にした叡智です。

私たち熊本大学有志は、そのような叡智に仕える学問に従事する者です。本学の前身校の一つ第五高等学校から学徒を死地へ旅立たせた慚愧の念に思いを馳せる者でもあります。そのような者として、私たちは、国会前を筆頭に全国各地で声を挙げている高校生、大学生、教職員、母親たち、あらゆる立場から平和を希求している数多の人たちと憲法前文の決意を共有し、安全保障関連法案の即時撤回をここに強く求めます。

第二次世界大戦終結から70年を迎えた8月

安全保障関連法案に反対する熊本大学有志の会

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